アガサ・クリスティーねじれた家4月19日ロードショー

©️ 2017 Crooked House Productions Ltd.

 ぜひ、あなたの目の前のすべてを映画館の大画面で覆い尽くして、しっかり堪能していただきたい。計算され尽くした画面構成、色彩、そして編集タイミング。さらに原作者アガサ・クリスティー自身が「わたしがもっとも満足している二作」のうちの一つという、この作品をいま体験できるのであれば、それは極めて価値の高い2時間になるに違いない。


 若き外交官チャールズは、変死した大富豪の孫娘ソフィアと恋仲であったことで、一族の陰謀めいたこの殺人事件の探偵としてその大きな屋敷に潜り込む。しかし捜査はそう簡単にはいかない。事件どころか巨額の遺産相続は、もはやこの屋敷に関係する強烈な個性の一族の発言・行動・心を、恐ろしいほどに退廃させ、ねじり曲げていた。

 人はなぜ巨万の富や高額のお金に振り回され、心がねじれていくのか?

 あなたがこの「ねじれた家」を訪れたのはあなた自身がすでに、ねじれているからに過ぎない。恋愛でも家族でもその他の人間関係でも、お金や欲に対しても、あなたのねじれた心がここにある。登場する異常でおかしな性格の一族はみな、映画を見るあなたの心の本当の姿が映し出された鏡なのだ。

 「そして誰もいなくなった」「オリエント急行の殺人」に比べ原作の知名度が低いのは、名探偵ポアロやミス・マーブルが登場しないということもある。だが、有名一族の大富豪が毒殺され、その不気味な大屋敷の中で、殺害を企てた犯人は誰かという謎解きが翻弄されていく面白さは目が離せない。横溝正史「犬神家の一族」にもつながるミステリーの王道・元型とも言えるだろう。

アガサ・クリスティー「ねじれた家」予告編

監督:ジル・パケ=ブレネール
原作:アガサ・クリスティー「ねじれた家」(田村隆一訳/ハヤカワ文庫刊)
出演:グレン・クロース、マックス・アイアンズ、ステファニー・マティーニ


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